今年に入ってからプロジェクトが開始したリフォームを紹介します。
スケルトンリフォームであったにもかかわらず、第1回目のお打合せからお引き渡しまで、5ヶ月というスピードで完遂できたのは、CAD図、3D画像、写真、意見を、お施主様、工務店さん、私たちの間で容易に共有できる、SNS環境によるところが大きいと感じています。
お施主様はご意見をはっきりお持ちのご夫婦で、ご両親がお泊りになるお部屋の確保がMustな条件でした。そのために、バスタブを廃止して、乾燥機能付きのシャワーユニットを採用されました。
この「清い決断」を、どのようにお二人の生活に取り込めるかが最大の課題でした。
写真は床下収納を全面に配した和室です。
キッチンとの間仕切り壁に設けた明かり取りの室内窓の障子には、お着物の着付けのために鏡を仕込みました。
お施主様からは
「特に客間については期待を超えたデザインで、必要とはいえ来客が滅多にないことを踏まえたものでとても満足」
と、ご評価をいただきました。
次の課題は、玄関の広さ確保とドアを開けたときに部屋の中が丸見えにならないこと。
玄関ドアに向かって左側の壁一面に鏡を張り、右側は大容量収納庫とシューズクロークを造作しました。三和土の実質的な広さは変わっていませんが、印象はだいぶんオープンになりました。
以前は玄関から奥の掃出し窓まで一直線に見えていましたが、廊下の位置をずらすことにより正面が壁となり、絵や花を飾って帰宅したときにほっとできる空間となりました。
(ちなみにこの壁はトイレとの間仕切り壁ですが、廊下ドアの引込みと、大きな絵を飾るための補強を両立させるべく、大工さんが頑張って造ってくれました)
そして、もっとも大きく変わったのがキッチンです。
かつては窓のない独立した部屋でしたが、窓側にご主人様こだわりのカウンターと吊り棚を造作し、明るくて広々としたキッチン・ダイニングを造りました。
お施主様に感想をいただきました。
- ライフスタイルを理解した上で、嗜好を取り入つつ機能面も考慮して設計・デザインしてくれた
- インテリアコーディネーターならではの発想で、最終的なインテリアを意識したデザインにしてもらえた
- 思い出のダイニングテーブルのリメイクも、全体のデザインに合わせて新しい家にとても合うものにしてくれた
- 工務店さんとも連携がよく、仕上がりも細かにこだわりを持ってやってもらえたし、要望にも迅速に対応してもらえた
このプロジェクトで意識したのは、次の2点です。
- お施主様のご要望をタイムリーかつ正しく工務店さんに伝えること
- 暮らし始めてからお施主様が手を加えられる「余白」をなるべくたくさん残すこと
これから時間をかけて、お施主様がお部屋を仕上げていってくださると嬉しく思います。