経営者の人となりを表すサロン2018.07.13

少し前になりますが、友人がマンションの一室にサロンをオープンすることになり、内装を担当させてもらいました。

サロンインテリア

この友人は、大学卒業後に入社した外資系IT企業のカタカナ部署の同期で、二人とも何をする部署なのか、正式名称もどこへ行ったら良いのかもわからず、路頭に迷った初日から30年来の付き合いです。約15年前に彼女が本来するべき仕事を始めて、今やその道では知らない人はいないという存在です。

仕事柄、志向がはっきり決まっていて行動がとても早いのですが、サロンが整うまで結局3ヶ月ほどかかりました。なぜ時間がかかったのかは、続きをお読みいただければ幸いです。


当該マンションの一室は3片の窓から光がふんだんに入り、明るいフローリングと真っ白な壁・天井という内装で、彼女が志向するテイストとは異なる少し明るいモダンな造りの部屋でした。

床を濃い色のフローリングに変更したりカーペットを敷き詰めるのも、壁に塗装するのも、既存のものを剥がさないとどうしても仕上がりにムラが出るうえ、賃貸物件のため退出時に現状復帰の手間とコストがかかります。

ネットで見たこんな感じの家具にこの部屋の明るさは合わない、とはいえ現状を無視して暗くするのは違うななど、意見も行ったりきたりでした。お施主さんは迷うものです。でも彼女から、最後にこんなメッセージをもらいました。

「調和、そうですね。本当にそうですね。昨日の夜、何もないサロンでぼっとしてて、実際に入らないとわからないな、と思いました。いろいろ迷ってしまい、ごめんなさい。大きなものはやはり、実際見て、椅子は座ってからちゃんと感じて買っていきます。」


まず全体のカラートーンを決め、サロンのお客様に居心地よく過ごしていただけるよう、上質で座り心地の良い椅子を選びました。ショールームで彼女に実際に座ってもらっているので、納得した買い物になりました。

an.a studioでは間取図をお送りいただければ、CADを使用して家具の大きさやカラーのシミュレーションを実施し、画像でイメージのすり合わせを行います。ここである程度、イメージの見える化が可能となります。

サロンインテリア

下の写真右は、知的な彼女の雰囲気にぴったりのオーナーのための一角です。冒頭の写真に実際の色が入った状態です。

明るい色のフローリングが、クラシックテイストな部屋でも重い雰囲気にせず、たくさん差し込む光との調和に一役買っています。

最後に彼女が選んだシェード生地は、さすがです。深みや赤味のある重いカーテンではなく、この「調和」を無理に崩さない薄いモスグリーンのダマスク柄でした。急いで全部を一気に決めてしまわないで、よかったです。

長年の付き合いとはいえ、やはりとことん議論をしてみないと、人の頭や心の中にある独自のテイストを言語化し、具現化するのは難しい。

お客様と議論できる、内装のコンサルティングをしていきたいと思います。